はじめに
みなさんはこんな問いを人生で持ったことはあるでしょうか?
「浮気や不倫って何でダメなんだろう。愛することって誰かにいい悪いをジャッジされなきゃいけないものだろうか?」
「ASDとかADHDとか、色んなラベルを貼り付けられると自分が自分でなくなるような、安心する時もあるような…この何とも言えない感覚をもっとわかりたい」
「アートと経営がめちゃくちゃ面白く結びつくやり方が絶対あると思うんだけど、どうすればそれを作れるだろう?」
「仕事でやっている方法、ルーティン化することなくもっといいやり方を模索し続けたい。理論を踏まえた自分の実践を良いものにし続けたい」
僕は、学問と社会に関わる問いを持ってからもう13年間ほど、様々なことに取り組んできました。その1つの完成形がMode2 Labです。M2Lは、上記のような「a.どう応えたらいいかわからないけど大事な問い」に応えて「b.生活・仕事・事業に応用する」ための能力を身につけるためのプログラムコミュニティです。
学問は役に立つ
全国8ヶ所で40回以上、延べ1000人の若手研究者らと異分野交流をしたこともありました。彼らと一緒にそれぞれの専門分野のおすすめの本を順番ごと紹介するサービスもやりました。高校生向けの出張授業もやりました。起業家・経営者にその学問領域の知識を元にリサーチ&コンサルティングもしました。政治家の方向けに政策調査を行ったこともありました。
様々な学問に関わる活動をやってきて気づいたことがありました。それは、学問は本当に役に立つということです。もちろん「XX学の知識」というコンテンツ的な知識が役に立つこともそうですが、それ以上に「XX学の知識を生み出す、その生み出し方に関する知識=方法論に関する知識」が役に立つということです。
本を読んで学習することも素晴らしい。わからないことがあったら答えをどこかに探しにいくのも良いし、人に聞くのも良い。でも世の中にはたくさん「まだ誰も応えていない問題」「この、いま自分がいる場所・関わりから生まれる問い」があります。その問いに完璧に応じてくれる「もう出来上がった答え」はどこにもありません。
「他の誰でもなく、この自分が、この問いに応答したい/しなければならない」という問いを、生きていれば誰もが抱えうると思います。
それは「なんでこうなってるんだろう! もっと知りたいわかりたい!!」というようなワクワクしたものもあれば「なんでこんなことに…一体何が起きているのか、自分なりに、たとえ苦しくてもそれをもっと知りたい」というような苦しみを伴うものであるかもしれません。
そんな問いには、まだ世界のどこにも答えがないかもしれない。それは途方に暮れる体験です。でも、では、途方に暮れて目を逸らして日常を続けていけるのか。そういう人もいるかもしれないし、それでもその問いに自ら応じたいと願う人もいるでしょう。Mode2 Labはそんな人のために「問い、応答する力」を身につけるためのプログラムコミュニティです。
Mode2 Labで身につく力
・それはもやもやした問いを応答可能な問いに置き換える力であり、
・必要な理論とデータを集める力であり、
・それらを分析、文脈化して意味ある知識に変換する力であり、
・問い-理論&データ-応答に論理的に練り上げて書き上げる力。
それは研究能力と言われたり、メタ知識と呼ばれたりしますが、通常大学や大学院の研究室でなければ身につけるタイミングがない能力です。
僕は、この能力は人間が持つ最も高度な能力にして、同時に、日常においても仕事においてもあらゆる場面で用いることのできる普遍的な能力だと信じています。
人はわからないこともたくさんある。失敗することも、間違えることもある。でも、学び直す力があれば、どんなこともまた始め直すことができる。そう信じています。
学ぶ力とは、関わる人を大切にする力だと思います。仕事で失敗しても、学び直す。人間関係で失敗しても学び直す。そうして、また自分の信じる価値に向かっていくための力。それが「問いを持ち、応じる力」です。
でも、大学に行かなかったり、卒論を適当に終わらせたりすると、この能力を身につけるタイミングもありません。そして、人類が蓄積してきた膨大な知識に触れることもありません。そしていつの間にか学問は「役に立たないもの」と評されているように思います。
学問は役に立ちます。想像を絶するほど役に立ちます。今あなたが悩んでいるどんな問いにも、少なくとも部分的には回答できます。
「問いの形を変えないまま、インプットも変えないまま、処理方法も変えないまま、ただ同じように悩み続けているような問い」に、あるいは「深めたいんだけど時間もないしモチベーションも続かない…一人でやるのは難しい問い」に、本気で応答するための場所がMode2 Labです。
来週の日曜日、9月11日にMode2 Lab2期生の5名が研究を発表してくれます。併せてM2Lがどんな場なのかもお話しさせていただきます。今日の投稿に関心を持ってくださった方がいたら、ぜひサイトから気軽にお申し込み下さい。どうしても当日はタイミングが合わないという方も、個別で相談に乗ることが可能です。
僕があなたの問いに直接応えることはできません。でも、「その問いに応える方法」を伝えることはできます。ぜひ、本気で問い、応じようとする仲間と共に、ご自身の問いを深めませんか?
参加者は会社経営者からソーシャルワーカー、男性も女性も年齢層も幅広く、どんな方も歓迎です。仕事の悩みから人間関係の悩みまで、半年間、本気で打ち込んでみませんか?
こちらのページから報告会への参加申し込みが可能です。ぜひお問合せくださいっ!!
2022年9月11日 日曜日20:00-23:00(入退出自由)Mode2 Lab2期生報告会&3期生向け説明会
詳細はこちら
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p.s.
ここまで読んでくださった奇特な(有難い!)方に、更にもう1段階上位レイヤーの話を共有させてください。生きることとは、世界を構築することなのではないかと思っています。
私を含む世界は常に不安定で、先行きも読めず、他者のことも自分のこともすべてを「わかる」ことはできない。生きていると、何が起きているかも、なぜ起きているのかもわからないことばかり。「?」が無限に浮かんできます。
それでも、その世界に何か「確かなもの」を作っていく。人との会話や観察、他者の書いた文章や理論を理解して、それらを組み合わせ「どうやら、こういうことなのではないか」という確かさを作っていく。
でもそれは違う条件だとまた違う結果を生むかもしれない。確かなものといっても全ては仮説にすぎない。暫定的な確かさと共に勇気を持って世界と関わり、失敗して、学び直して、それを重ねながら少しずつ世界が理解できる。
理解できるというのはつまり「その世界で自分がなぜどのように言動するのか」について、自分なりに主体性を持って選び取ること、世界との関わり、世界の中にいる自分を、つまりは世界を自ら作っていくことです。
それは更に踏み込んでいうならば「私はどのような世界を生きたいか」という問いへの自分なりの応答を重ねていくことでさえあります。「AすればXに、BすればYになる。だとしたら、私はYを望むから、Bをしよう」というように。
つまり「世界に問いを見出し、自分なりに応答することで、自分を含む世界を構築していく」ことが生きること。であるなら、問いを持つことやそれに応答する能力を身につけることは「世界を作る力」を身につけることだと思うのです。
たとえばM2Lに参加した人には「なぜ赤ちゃんを産んで幸せなはずの人が産後うつになってしまうのか?」という問いを持っていました。
その問いを深める中で「居場所を持たないことが産後うつのリスクファクターになること」や「家族は必ずしも居場所にならないこと」を知っていきます。
そして、問いはそこではやはり終わらないのです。「では、どうしたらいいんだろう?」と更に問いを重ね、彼はいま産後うつ予防アプリを開発しています。
問いを深めた先に「では、私はどんな世界を望むのか?」「その世界を実現するために何をどうしたらよいのか?」という、生きる上での主体的な選択を伴う問いが生まれてきます。
その世界で生きることは、きっと安心してくつろげることでしょう。生きることは世界を作ることなのだとしたら、よく生きることはよい世界を作ることでしょう。
Mode2 Labでは研究をするだけではなく、その研究を事業やプロジェクトやあるいは人間関係などの具体的なものに還元・反映・応用していくことを強く推奨しています。
僕自身がまさにそのような人生を生きています。「わからなさ」に満ちたこの世界に問いを持ち、それに応じる。それをプロジェクトや事業にして、また次の問いと出会い、深めていく。
実は僕が言いたいことは、このような人生は「めちゃくちゃに楽しい」ということです。そしてそのために知識生産能力を身につけることは「ものすごく役に立つ」ことだということです。
しかし、その能力を身につける場所は大学院くらいしかありません。そしてそれを元にプロジェクトを作るということに至っては、大学院でもほとんど行われていません。
そんなわけで、Mode2 Labはとても珍しく、そしてとても面白い場所です。僕はこれから数十年間これを続けていきたいと思っています。誰よりも僕が楽しんでいます。
そんなMode2 Lab2期生最終報告会&3期生向け説明会は今週日曜日、9月11日の20:00-23:00(入退出自由)に開催します。
関心のある方は、ぜひこちらから参加申し込みください。